総合工学である航空宇宙工学では、四力学(空気力学、材料力学、機械力学、熱力学)制御工学、航空機力学、軌道力学といった理論に加え、実験や設計、製図の方法についても実習を通して幅広く学びます。

これらの座学で学んだことを、航空機や宇宙機(ロケットや人工衛星)の実機開発に活かす場として、有志の教員や学生により以下のような様々な課外活動が展開されています。
また、航空機やロケットが実際に開発、製造、運用されている現場を自分の目で見ることができる見学旅行なども毎年行われています。

課外活動一覧

新人研修
2年生の12月初め〜3月にかけて、宇宙ミッションを意識したミッションを設定したうえで、マイコンを使った自律ロボットをチームに分かれて制作し、その成果を発表することで、ミッションの創造やハードウェア/ソフトウェアの開発方法について学びます。この研修では、人工衛星開発の流れを経験できるだけでなく、その後の研究やプロジェクト活動で必要な技術力やチームマネジメントの基礎力を養うこともできます。また、課外活動であるにもかかわらず、進捗報告会では教員から直接フィードバックをもらうこともできるのも大きな特徴です。
五月祭
五月祭(ごがつさい)は毎年5月に本郷・弥生キャンパスで開催される東京大学の学園祭です。航空宇宙工学科は3年生が中心となり、航空宇宙業界の企業からお借りした実際の飛行機やロケットの部品や模型の展示、研究室のポスター展示、紙飛行機やペットボトルロケットなどを製作できる体験教室の他、航空宇宙に関する物品販売などの模擬店を行っています。また、上記の新人研修で開発した作品も展示しています。
CanSat (ARLISS)
CanSatとは「宇宙へは到達しないが人工衛星としての基本的な機能は兼ね備えた模擬人工衛星」であり、衛星開発の教育に使われています。このCanSatの開発を通じ、ものづくりのための技術や心構え、構造・回路・制御などの要素技術及び課題発見・解決能力、プロジェクトマネジメント能力などを新人研修よりも深いレベルで培います。3年生のSセメスターで開発を行い、夏休みには ARLISS(アメリカネバダ州ブラックロック砂漠で開催される大学生を主とした CanSat の打ち上げ競技会)に参加します。東大からは例年2チーム程度が参加しており、毎年素晴らしい成績を収めています。
HAPS
昼夜を問わず飛行可能な無人航空機であるHAPS (High-Altitute Pseudo-Satellite もしくは High-Altitute Platform-Station) の実現を目指して、常に新しい技術を追求し、最先端の機体開発に取り組んでいます。航空宇宙工学科・専攻の学生と教員を中心に 40名を超える学生が参加しており、キャンパス内の工作室を拠点に、設計班/構造班/回路班/制御班/ソーラー班に分かれて活動しています。また、学外にあるロボットテストフィールドの滑走路での飛行試験も定期的に実施しています。
HAPS Research Group
見学旅行
2年生Aタームから3年生Aタームまでの1年半の間に座学中心で学んだ航空宇宙工学が、実際の開発・運用の現場でどのように活かされているか自分の目で見るため、3 年生の終わりの春休み(4 年生に進級前の春休み)に8~10日間かけて企業や JAXA の施設を見学します。そして、大学で学んだ理論とこの見学旅行を通して知ることができる現場の2つを礎にして、4年生では卒業研究と卒業設計に取り組みます。

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